海から出た魚

広く浅く。多趣味な人間の気ままな人生を綴ります。

二つ目アート展

10月14日、自分が待ちに待ったライブに行ってきました。

その名も「二つ目アート展、新しい実験」。

これはオモイメグラスというバンドが主催をしたライブ&アート展です。

ただのライブじゃないのがミソ。

音楽活動のほかに二つ目の個性を持ち合わせたアーティストたちがその個性を活かす場と言ったらいいでしょうか。

これ、かなり新しいことだと思うんです。

だからライブの名前にも「新しい実験」と書いてあるのですが。

出演者は4組でした。

・キミノオルフェ
ぜんぶ夢みたい、私ここにいるのに (さめざめ×福井伸実)
・ナルミ、タソコ、シュンタロウ(from Hello Sleepwalkers)
・オモイメグラス
(出演順)

自分はHello Sleepwalkersとオモイメグラスしか知らなかったのですが今回のライブで他のアーティストを見れるのがとても楽しみでした。


まずはキミノオルフェ。

1年ぶりのライブだったらしいのですが、本当に1年ぶりなのかという声量にまず驚かされました。

ここまでの声量があるアーティストを生で見たのは初めてかもしれないというくらい。

今回の趣旨は「新しい実験」なのでライブにも何かしらの仕掛けがあります。

キミノオルフェが見せてくれたのはボイスパーカッションを交えた曲披露。

ボイスパーカッションを生で聴いたのももちろん初めてです。

あ、今回は初めてって言葉結構使うと思います。(笑)

クラッチからバスドラム、時計の針の音…人間の声ってもしかしたら最高の楽器なのかもしれません。

あれだけ多才な音を表現できるのは人間の声だけです。確実に。

それにもう感銘をうけボケーっとしていると蟻さん(キミノオルフェのボーカル)の声量がバシっと突き刺さってきて

1組目からとんでもない実験をしてきたな、と思ってました。

そしてピアニストの腕も目を見張るものがありました。

なんであんなに難しいリズムを楽しそうに弾けるのか…自分だったら必死で強張ってると思います。

曲調的にもすごく好みでCD化をぜひしてほしいです。その時はボイスパーカッション込みで。

そして蟻さんが書いたポストカード。

今回の出演者4組の中の女性4名を描いたものなのですがこれがまたセンスの塊でして。

それぞれの特徴を上手く捉えてるんですよね。表情もそうだけど髪型とか。

二つの才能を持ち合わせてるって本当すごい。羨ましい限りです。


2組目はぜんぶ夢みたい、私ここにいるのに (さめざめ×福井伸実)。

少し長いですが、もともとは「さめざめ」というバンドで活動をしています。

福井伸実さんは絵を描いている方です。あるサイトによると「恋する絵描き」だとか。

今回このコラボでの”実験”はなんと「ボディペイント」でした。

小柄で可愛い女性が出てきてなにやらペン類が置かれます。

その女性の胸から上・腕・足にかけてペイントをしていくのです。

ボディペイントは海外ではかなりメジャーですが日本ではほぼ定着していないのでは?と思います。
(これに関しては自分がその世界をしらないだけかもしれません…)

さめざめのサオリさん(キーボード兼ボーカル)が歌いながらボディペイントが描かれていきます。

初めて見たその組み合わせ・光景に完全に棒立ちになってしまいました。

なんだろう、あの感覚はあの場にいないと味わえないと思います、本当に。

ちなみに先ほど言った小柄で可愛い女性※は「蒼井莉奈」さんというモデルさんです。
※佑さんのキャスでご指摘いただいたのですが、身長169cmあるようです。ステージ上では小柄に見えましたがやはりモデルさん、高身長です。

ミスID・2017SF受賞者の実力者。
(字面、間違っていたらすみません…)

彼女の時折見せる表情や仕草もその場の雰囲気を完璧にさせてくれていたと思います。

ライブでは撮影禁止なので完成したボディペイントを載せることができないのが残念ですが、そのうちTwitterなどでお目にかかれるかな?

描かれたのは一言で言えば「天使」でした。

福井さん曰く、「彼女(モデルの蒼井さん)が最近失恋をして。こんなに可愛い子が失恋してしまって、彼女は悲しくて泣いていたんだろうなぁ。また彼女が笑顔になれるようにこの絵を描きました。

福井さん、ものすごく真剣に描いていたのですが終わった瞬間の微笑みがとても素敵でよっぽど描いてる時緊張したんだろうなぁと勝手に思っていました(笑)

作品はもう少し見せて!って思うほど素晴らしく、そして可愛らしく描かれていました。

サオリさんの曲選びもボディペイントが終わってからなんかわかるようなきがしたり。考えすぎですかね。

サオリさんは曲によって声色を変えるのがとても上手な印象を受けました。

ここまで2組見て、(なんだよ、いい意味でバケモノ揃いじゃねえかよ)と腰を抜かしそうに。

しかしまだまだ続くのです。”実験”は始まったばかりです。


3組目はHello Sleepwalkersから、ナルミさん・タソコさん・シュンタロウさん。

もともとHello Sleepwalkersは大好きで年に1回はライブを見させていただいておりました。

その時は5人体制なのですが、今回はベースのマコトさんとドラムのユウキさんはおやすみ。

彼女ら(今回は女性が主役だと思っているので男性が多いですが敢えてこう表記させてください)の”新しい実験”はやはり3人ということで楽器に依るものでした。

ナルミさんはキーボードを。シュンタロウさんはエレアコ。タソコさんは変わらずエレキギター

ナルミさんはもともとエレキギターを担いでますので今回かなり練習したのではないでしょうか…。

アクセサリーを展示・販売していたのですがそれも一つ一つ手作りで。

これ準備かなり大変だったと思います。音楽面でももう一つの個性の面でも。

しかしここで中途半端な出来ではなく完璧に仕上げてくるのがプロ。

演奏が始まった途端、もう音楽感がHello Sleepwalkersなんですよ。間違いなく。

キレッキレのギターにシュンタロウさんの力強い歌声、力強くも透き通るナルミさんの歌声。

やっぱHello Sleepwalkersすげえ…ってなりました正直。

これは単純に練度なのですかね。ちなみにお客さんもHello Sleepwalkers目当てが多めな印象を受けました。

キーボードをどう操るかが気になっていたのですが全く違和感がなかったです。

既存曲は2曲でしたが既存曲のアレンジも今回のためにしっかりされていて完成度に驚嘆。

他の新曲たちもものすごくかっこよくて色が強い!(笑)

これCD化はないのかな…と心の中で密かに思っております。

確かsoundcloudにいくつかアップされてるんでしたっけ?にしてもやはり円盤で欲しいものです。

あと個人的には1stアルバムの曲を演奏してくれたのが単純に嬉しかったですね。

ちなみに今回アクセサリーはナルミさんのものを購入させていただきました。

もう作り始めて1年経ったって言ってましたかね?1年であんなに上達するもんなのですね。

デザイン、ものすごく好みです。

Hello Sleepwalkersは5人体制の異色バンドですが楽曲に捨て曲なしなのでぜひ今回ライブに参戦した人にも他の曲を聴いて欲しいですね。


さあきました4組目、オモイメグラス。大トリ。主催者です。

自分はかなり前からこのバンドを追い続けていますが、最初に言わせてもらうと

今回のライブが今までで最高でした。

なんかこれだけ言えばもう十分じゃないのってくらいなのですが、綴りますよー。

まずは1曲目から驚きが待っていました。

ランウェイです。

オモイメグラスのボーカルである佑さんが手作りしたアクセサリーを身に着け、女性4人が舞台上を歩きます。

もちろん4組からそれぞれ、です。

それはもう圧巻でした。まさかそんなことしてくるとは思わないじゃないですか。

してやられた感がものすごかったです。
(この時泣きそうになってずっと上のほう向いてたとか言えない)

そして次に驚かされたのは曲と共に共演者がおもいおもいのダンスをし、場を完璧に作り上げてきたところ。

ランウェイを歩く人は同じですが今度は自分たちのグッズやアクセサリーを身に着けて登場してきました。

これも度肝を抜かれたというか…一本取られました。

ランウェイを歩いた後はステージ上で彼女らがマネキンのように止まります。

そして佑さんの合図と共に再び動き出しその場で踊りだします。

それがまた素晴らしい風景で。あれ、またぜひやって欲しい。見れなかった人にも見て欲しい。

そして曲調が変わると共にまた女性たちは静止し、暗転します。

ここまで考えられる佑さん、本当に恐ろしやです。

演出家として、完璧に人々を魅了しました。もちろん自分も魅了されっぱなし。

”新しい実験”は終わりません。

佑さんも魅せます。日本舞踊を15歳まで習っていたらしく、それを存分に活かした演出。

食い入るように見つめてしまっていたと思います。

こうして今冷静に文字に起こせてることが奇跡です。

なんかいつもより他のメンバーさんも生き生きしていた気がします。(笑)

締めは日本舞踊の正当な挨拶。

その挨拶を見たときに「終わってしまった」という気持ちを「無事に終わってよかった」という二つの感情が交差していました。

そこで発表があったのですが、オモイメグラスは12月、11月、来年1月と3ヶ月連続で新曲をリリースするみたいです。

配信限定になるかもとは言ってましたが、すごく楽しみです。

自分の中でオモイメグラスは「落ち込んでいる時に励ますでも同情するでもなく、一緒に落ち込んでくれる」そんなバンドでした。

こんなこと書いていいかわかりませんが、決して明るいバンドではなかった。

でも今回の公演をみて「励まされている」自分がそこにはあったのです。

それは今までのオモイメグラスにはない感情でした。

確実にオモイメグラスは進化しています。

思いを巡らすだけでなく、思いを巡らし行動に移すバンドになったと自分は思います。

これ、あくまで自分が勝手に思っているだけなのでスルーしてもらって一向に構いません(笑)

ただ自分の中ではそういうバンドになっていると思っています。

本当にこのバンドに自分はなんども救われてきました。

世の中には落ち込んだ時に励ます曲なんて腐る程あります。

そういう曲ももちろん大事ですが、自分はそんな綺麗事はあまり好きではないので。

そういう面から見てもオモイメグラスは自分の性に合ってるバンドなのです。

そしてそのバンドに励まされた…これはもう大変なことですよ。

このバンドがなかったら今の自分はかなりおかしな方向?に行っていたかもしれません。

それほど大きな存在なのです。


一応これで4組全ての出演者の紹介が終わったのですが、二つ目の個性を少し掘り下げたいのでもう少々お付き合いください。

それぞれのバンドの二つ目の個性を生かそうというこの企画。

アクセサリーだったりイヤリングだったり、絵だったり。

技法は様々ですがそれが融合する時、こんなにも素晴らしい空間が出来上がるのだなと思いました。

ライブハウスの物販がアクセサリーや絵だらけなんですよ?信じられません。

でもそれを成功させたのが今回の企画です。

”新しい実験”はまだこれからも是非続けて行って欲しいものです。

その空間に自分の身を置けたことに本当に嬉しかったです。

これだけ綴ってもまだ手が止まらないのはどういうことなのか(笑)

音楽以外にもこんな世界があるんだと気づかされることが多かったと思います。

この記事をもし出演者様が見てくれたとしたら、こんな記事で本当にごめんなさい。

文章を書くのも下手だしまとめる力もないです。

でも自分が思ったことを文字に起こすって大事なことだと思ったので。

今回出演された方々、主催のオモイメグラスさん、本当にお疲れ様でした。

またこういう機会が訪れればいいなと思います。

何卒よろしくお願いします(笑)


ではこの辺で。

道中の写真も撮ったので時間がある時にでも追加しておきます。

では、また。